Chikuwaのつぶやき

クラシック音楽、言語、ドイツ、物理など、雑食性です

各国現行憲法の改正頻度

日経に興味深い記事があった。
www.nikkei.com

ここでは現在までの改正回数のみで比較されているが、国によって現行の憲法も古いもの(アメリカ:232年前)から新しいもの(韓国:33年前)と差がある。これまでの改正回数を、単純に「制定から今までの年数」で割って「1年あたりの改正回数」を計算すると

制定年 制定からの年数(2020年12月) 改正回数 改正回数/年
ドイツ 1949 71 65 0.92
フランス 1958 62 24 0.39
イタリア 1947 73 16 0.22
カナダ 1867 153 31 0.20
アメリ 1788 232 18 0.08
韓国 1987 33 0 0
日本 1946 74 0 0

日本が74年にわたって改正を一度もしていないのと対照的に、ドイツは1年に0.9回改正している。
ドイツは現在のパンデミック対策でも目まぐるしく法律を変えていて(しかも州 Bundeslandによってルールが異なる)、一部のドイツ人からは不満が出ている。でも僕の実感として、「過去1週間の人口百万人あたりの新規感染者数」という数字でくっきりきっぱり規制のレベル分けがなされているのは、判りやすくはある。「重要な政治方針を速やかに規則に定める」傾向は、ここにも見られるようだ。

憲法改正論議

よく世論調査で問われている「憲法を改正すべきだと思いますか」という質問は、憲法の議論をするにあたってあまり意味が無いと思う。問うべきなのは「現在の、あるいは近い将来の国際情勢・外交関係に鑑みて、どうすれば日本という国を維持できるのか」だ。何が必要かをまず考えて、それを実現するために憲法を改正することが必要なのか、法律を変えればいいのか、それとも”解釈”を変えるだけで対応できるのか、が決まると思う。