Chikuwaのつぶやき

クラシック音楽、言語、ドイツ、物理など、雑食性です

オリンピックについて思うこと

新型コロナ情勢や会長辞任で今でも揺れている東京オリンピックの開催。ただ僕はどうもオリンピックに関心が湧かない。大幅に商業化し、お金儲けに使われている、というのも一因。ここで述べたい、もう一つの好きになれない点は

国 vs. 国の構図

だ。日本がどこの国に勝ったとか負けたとか、日本のメダルが今何個だとかが盛んに報道されるけども、頑張っているのは選手とその周囲の人たちであって、日本チームが勝ったから日本という国そして自分たちはすごい、という感情が見え隠れするのが醜い。これだけ文明と理性を発達させた人類でありながら、結局は自分と"同質な人"が"異質な人たち"を打ち負かすのを見て喜ぶ、戦争と変わらない生存本能と排他的感情をさらけ出すイベントに見えてしまう。

この点に関してモータースポーツの世界選手権は違う。選手とマシンの両方が揃わなければ勝てない中、各国の最高峰が力を合わせ一つのチームを作り、別のチームと争う。例えばF1で言えば、ベッテル(独)がフェラーリ(伊)を駆り、ハミルトン(英)のメルセデス(独)と争う。これは国 vs. 国の戦いではなくて、インターナショナルなチーム同士の争いである。日本人がフェルスタッペン(オランダ)のファンだったり、アメリカ人がホンダエンジンに熱狂したりする。「誰が何人だから」に囚われない、純粋に努力と才能と技術的イノベーションを追求しそこに夢を見る、この雰囲気が僕にはとても心地よい。