Chikuwaのつぶやき

クラシック音楽、言語、ドイツ、物理など、雑食性です

ブラームス 交響曲第4番(1884-85)

オーケストラ・クラシック音楽に馴染みのない人にも「あ、なんかいいな」とポジティブな印象を持ってもらえるよう、いくつか簡単に曲紹介をしてみたい。

ブラームス4番

僕の好きな交響曲ランキングでもトップ3に入るブラームスの名作。大学オーケストラで、先輩たちの定期演奏会リハをホールで聴いてシビれて以来たびたび聴いている。最初〜13分過ぎまでの第1楽章と第4楽章を特に聴いてほしい。ブラームスの魅力は何といってもチェロ、ホルン、トロンボーンティンパニあたりの中〜低音域なので、その辺りがクリアに聞こえるイヤホンなりヘッドホンが欠かせない。
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第1・第4楽章

第1楽章はむせび泣くようなバイオリンから始まり、哀惜、切迫、エネルギーの高まりの連続で最後までシビれる。第4楽章は変奏曲形式で、一つのモチーフを様々な楽器の組み合わせ、あるいはソロでつむいでいく。35'09~フルート、36'32~トロンボーンの名人芸が見れることを楽しみにしながら、幾多の変奏を見守っている間の高揚感は、おそらく生コンサートでないとなかなか味わえないけれど、そんな想像をしながら聴いてみて欲しい。37'39~第4楽章冒頭に戻るが、しかし更に危機迫った音で襲いかかる。その後はフィナーレまで鳥肌立ちっぱなしです。

指揮者

僕は打楽器を演奏するが、どうもこのコンサート(冒頭の動画)では打楽器はあまり上手くない。ではなぜこの動画をチョイスしたかというと、Carlos Kleiberというお気に入りの指揮者が振っているから。指揮者の仕事は単に拍子やテンポを示すことではない、というのをまさに体現する、流れるような指揮。音楽に味をつけ曲の展開を先導する様がめちゃカッコよい。こんな風に指揮してくれたらプレーヤーは、(合奏が崩れないように周囲にアンテナを張りながらも)音楽に没頭して自分にできる最高の表現をしてやろうという気持ちになる。動画ではカメラアングル的に彼の表情もとてもよく見えるので、客席の聴衆ではなくてプレーヤー感覚で鑑賞してもらえるのではないかと思う。

コンサート日記

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僕はブラ4(ブラームス4番の通称)をドイツ・ドレスデンのSemperoperにて、Staatskapelle Berlin & Daniel Barenboimの演奏で聴く機会を得た。チケット予約が売り切れギリギリでステージ真ん前、指揮者のすぐ後ろくらいの席になってしまったのだけど、それはそれで奏者たちの息使いや、チェロとホルンの完璧に溶け合った音の中に包まれる体験ができて幸福感に溢れながら帰路に着いた。